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ホーム リアルピープル・コスメ

リアルピープル・ハーバルス( Real People Herbals )

創造主への感謝から生まれたコスメティクス

ポーリン・マット( Pauline Matt ) の持つ薬草への限りない情熱は緑豊かなロッキー山脈の大自然によって育くまれている。

「私達にとって癒しは創造主のなされることなの。私や植物はそれほど重要じゃない。感謝をささげるべきは創造主よ」

ポーリーンは長年にわたり、部族に伝わる伝統的な薬草を使い家族や友人を治療していたが、その薬草を使って今のように一般向けの薬草ハーブ茶、ローション、薬用クリームなどを作ろうと決心したのは数年前だった。 彼女は葉、茎、実、根など全てを自分が住むモンタナ北西部にあるブラックフィート・インディアン居留地の家の直ぐそばで採集する。

glacier lake

ある日、彼女と伴侶であるカルビン・ウェザーワックス( Calvin Weather Wax ) は薬草を求めて山に向かった。彼らが目指したのはグレーシャー国立公園の反対側に位置するトゥーメディスン・レイクの上に広がる山の急斜面だ。

そこは古から受け継がれるブラックフィート族の土地だ。彼らは自分たちをニスカピ、real people と呼ぶ。ポーリーンは何世代にもわたって受け継がれている部族の伝統文化をこの先祖の地で守り続けている。

この5ヶ月間、春には葉、夏には花びらを収集してきた。9月に入って秋の寒さが忍び寄ってくると、今度は根っこの採集だ。彼女のお気に入りのスポットの一部は既に1メートルの雪に覆われている。

今日は天気も晴れ、遥か彼方には標高2700メートルのウルフマウンテンの頂が見える。ポーリーンとカルビンはこの土地を熟知している。ここにはロッキーの東側には生息しない植物があると植物学者に教えられた、という。

4輪駆動車をとめると彼らは山道を登り始める。トゥーメディスン・バレーが遥か眼下に広がる。そこは薬草の宝庫だ。

スイートパインの幹には薬用となる松ヤニが溢れている。数メートル先にはバレリアンの堆積した落ち葉が芳香を放ち、アルニカ、レッドルーツ、ラトルスネーク・プランテーン、リコリスなども見つけることが出来る。

採集にあたって、二人には植物に対するリスペクトを表すためのある掟がある。もし採ろうとしている植物の周りに同じ種(彼らは親戚と呼ぶ)が10以上ない場合は、採ることはしない。もし植物を採る場合には、種をその場に蒔いておく。

さらに30メートル上ると艶々した葉っぱを地面に垂らしたキンニックニク(kinnikinick)の茂みがある。北部インディアン部族の間でキンニックニクは儀式用タバコとして使われている。この植物になる深紅の実は乾燥したリンゴのような味がする。

gathering

二人はキンニックニクの近くに跪く。ポーリーンは小さな子袋から一つまみのタバコの葉を取り出すと、それを頭の上にかざし、創造主、東西南北の四つの方角へ祈りを捧げる。祈りが終わりタバコを地面に置くと、彼女はゆっくりと葉と実を採取した。

「カルビンは私よりもっと優しいわよ。そ~っと葉を取るの」

ポーリーンは彼女の父親から大地への愛と感謝の念を持つように教わった。父親は子供達に植物に関する知識を授けたが、ポーリーンによると教えられたのは薬としての役割のみで、それが毒となる部分に関しては話された覚えはないという。

「きっと私達子供を怖がらせたくなかったのね」

ポーリーンのインディアンネームは「サビスベリー・ウーマン / Savis Berry Woman 」名前だった。サビスベリーはブラックフィート族の儀式でよく用いられる実である。

ポーリーンは数年前からリアルピープル・ハーバルス(Real People Herbals) いうビジネスを立ち上げた。彼女の作るスウィートグラス・リップバームのような製品は居留地内にあるブラックフィート文化遺産センターや周辺の土産物屋にて売られている。

「大変な仕事よ。とてもこれでお金持ちになれるようなもんじゃないわ」

しかし、それは彼女が全身全霊を注ぎ込むだけの意味がある仕事である。植物は彼女の人生に平和、静寂、愛、そして癒しを与えてくれたのだ。数年前に彼女の親友が亡くなり、彼女は失意のどん底に陥った。そして追い討ちをかけるように一生懸命建てた家が火事で全焼した時、彼女は寝袋、鍋、洗面用具を持って3ヶ月の山篭りをする。

山で癒された彼女は里に帰ると、再び自分の家を建てた。

「私を前進させ、大工になるようにさせたのは植物だったのよ。石工になるように後押ししたのも植物よ。困った時には植物が何時も助けてくれるの」

花を入れる箱が欲しい、と言うと何人もの人が、じゃあ自分が作ってあげると約束したにも関わらず、いつまで待ってもそれは実現しなかった。いやおうなしで工具を買い自分で作り出した。直ぐに家具を作り、家まで建ててしまった。岩の中に植物の化石を見つけたインスピレーションで石工も手がけるようになったほどだ。

おまけに植物は彼女に伴侶ももたらしてくれた。カルビンと出会った場所はグリーンハウスだったからだ。

pauline and calvin

薬草を使って人を癒す彼女だが、実は彼女自身、健康に問題を持っていた。10年前から関節炎のせいで手が不自由になっていたのだ。ある日、山でイチゴの葉を採集しようとしたとき、彼女は誤ってミツバチの巣に手を突っ込んでしまった。12箇所もこっぴどく蜂に刺されてしまったが、何故かそのお陰で関節炎が治ってしまったという。

「あなたの身の回りに生えている植物に注意を払うの。それはあなたを癒すためにそこに存在しているのかもしれないのよ」

今は治った手を自由に使い蜜蝋、アーモンド、アボカド油、マカダミアナッツ・バターとスイートグラス、セージ、ワイルドミントなどをミックスし、ローションや薬用クリーム等を作る。

彼女にとって自分の作る製品が儀式で使われるのか、ショップで小売されるのかは問題ではない。彼女は“創造主からの贈り物としての感謝”を片時とも忘れない。

「私は信念と献身さに頼ってものを作ろうとする人間に過ぎないの。植物はそれを手助けしてくれるのよ」

                                       

                                                                                                    ( ジョディ・レイブ / ミズーリアン新聞記事より抜粋翻訳)